成蹊探訪

成蹊探訪 22

「卜ラスコン」と「トラスコンガーデン」

 成蹊学園が池袋から吉祥寺に移転した年(大正13年)に「トラスコン」(屋内運動場。のちに大学小体育館)は竣工した。
 「トラスコン」(通称)の名は、建物の構造をなす鉄骨造りの躯体、屋根および外壁などがTRUSCON STEEL COMPANY (アメリカ・オハイオ州)から輸入された鋼材で建てられたことに由来する。
 このトラスコンには、青春の思い出が数多く刻まれている。中でも旧制成蹊高等学校籠球部は昭和6年の第10回全日本籠球選手権大会において、トラスコンでの猛練習をバネに全国制覇の快挙を成し遂げた。また一方、戦火が激しい昭和19年6月にはトラスコン内に「三菱電機成蹊工場」が開設、勤労動員された旧制高等学校の生徒達は、授業を半ばに夜遅くまでレシーバーの組立て作業に汗を流した。
 戦後、再び体育館として復活したが、平成5年4月に体育施設としての長い歴史を閉じ、同年9月、由緒ある構造の骨組みや外壁を生かして内装を一新し、学生等の憩いの場にと用途を変え、その名も「トラスコンガーデン」としてオープンした。
【文:管財課】
「卜ラスコン」と「トラスコンガーデン」

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